Page 5 - SSTC - HP2C製品リーフレット

あるPanFSのお客様は、数年の間に1つのPanFSレルムへ1,500以上の
ストレージノードと150以上のディレクターノードを段階的に追加し
ていきましたが、そのすべての過程においてパフォーマンスはリニ
アに向上しました。このスケールアウトは、数千人の研究者で構成
されるユーザコミュニティにおいて、すべての研究者が独自にHPC
アプリケーションを同時実行している環境に対応している間に実施
されました。
ストレージノードも汎用サーバによるシステムですが、
HDD、SSD、NVMe、DRAMの容量、CPU性能と機能、
ネットワーク帯域幅など、ハードウェアアーキテクチャ
のバランスを入念に考慮して選択したサーバモデルで
構成されています。
• DirectFlowクライアントドライバーは、計算サーバに
インストールされたカーネルにロード可能なソフト
ウェアで、ファイルシステムを実装し、他のファイ
ルシステムと同様にアプリケーションプログラムに
よって使用されます。ディレクターノードやストレー
ジノードと連携し、単一のネームスペースから、コ
ンピューティングクラスタ内の全てのサーバを網羅
する完全POSIX準拠でキャッシュコヒーレントなファ
イルシステムの機能を提供します。一般的なLinuxディ
ストリビューションとバージョンはすべてサポート
されています。
ディレクターノードとストレージノードの
リニアなスケールアウト
PanFSは、ディレクターノードとストレージノードの両
方をスケールアウトします。メタデータ処理のパフォー
マンスを向上させるために、より多くのディレクター
ノードを追加することができます。ストレージノード
を増設することで、ストレージ容量の増加とパフォー
マンスの向上を図ることが可能となります。
PanFSのようなスケールアウトストレージシステムでは、
単純に最大性能や最大容量といった仕様の数値は意味
がありません。ノードを数台追加するだけで、より優
れたパフォーマンスや大容量を実現することができま
す。
PanFSはリニアなスケールアウトを実現するように設計され
ています。ストレージノードを50%追加すると、容量が50%
増加すると同時にパフォーマンスも50%向上します。
クライアントからのパラレル転送とダイレクト転送
PanFSは、標準的なNFSやSMB/CIFSプロトコルよりも数桁
以上も高い帯域幅を一貫して提供可能なパラレルファイル
システムです。PanFSによって保存された各ファイルは、多
数のストレージノードにわたって個別にストライプ化され
ているため、ファイルの各構成要素を並列に読み書きする
ことが可能で、各ファイルへのアクセスのパフォーマンス
が向上します。
またPanFSは、計算サーバがネットワークを介してすべての
ストレージノードと直接通信することを可能にするダイレ
クトファイルシステムでもあります。一般的なエンタープ
ライズ製品におけるファイルアクセスは、NFSまたは
SMB/CIFSのサービスを実行している「ヘッドノード」を介
して実行され、ファイルを保持するHDDまたはSSDを含む他
のノードにバックエンドのネットワークを経由して転送さ
れます。この場合、データのトラフィックがヘッドノード
に集中することで明らかにボトルネックが発生する可能性
があります。高速なファイルアクセスを実行するには高速
のバックエンドネットワークが必要となるため、システム
全体のコストが上がります。対照的に、計算サーバ上の
DirectFlowクライアントは、アプリケーションがアクセスし
ようとする各ファイルに対してそのファイルのデータを保
持している全てのストレージノードとネットワークを介し
て直接データのやり取りを実行します。ディレクターノー
ドは「Out-of-Band（帯域外）」にあるため、データ転送時の
パフォーマンス低下を意識する必要のない効率的なアーキ
テクチャとなり、スケールアウトNASシステムによく見られ
るホットスポットやボトルネック、不安定なパフォーマン
スの発生を大幅に抑えることができます。
5